海外裁判所見学記

2014年11月19日 水曜日

イギリス ロンドンの中央刑事裁判所と王立裁判所(2006年)


CENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)
1.刑事裁判を傍聴する。
イギリスに行って、裁判を傍聴しようとの企画をたて、2006年の夏、ロンドンに出かけました。ロンドン市内、シティのOLD BAILYESにCENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)があります。2006年8月8日に、その裁判所で刑事裁判を傍聴しました。


2.雰囲気的には暗い?
CENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)はロンドン市内の多くの建物と同様に道路からいきなり建物に入る造りです。それほど広くない道路の反対側にはカメラを据えた記者が待ちかまえているところは東京地方裁判所と変わりません。正面左側に関係者の入り口があり、正面右側に傍聴のための入り口があります。
その日の裁判の日程が貼出してありますが、語学力がないので、よく分かりません。

依頼した通訳の方と一緒に、傍聴のための入り口を入ると、幅1.5メートル位の階段がありました。どう進むのか分かりませんでしたが、とにかく、薄暗い階段を上がっていきました。他に人もおらず、ちょっと、不安です。

階段をそのまま上がっていくと検問がありました。いかつい職員がいて、荷物検査が必要です。飛田は、荷物検査は厳重に違いないと予想して(もちろんカメラの持込は禁止)、内ポケットに財布1つで傍聴に出かけましたが、ボディチェックでは、その財布まで見せなければならないほどでした。但し、この点は、人によって大部違うようで、先に傍聴した飛田と通訳の方は厳重なボディチェックを受けましたが、後から入った河野はハンドバック持参にもかかわらず、ノーチェックでした。


 
3.劇場の二階席か?
その検問を抜けて、さらに上の階に法廷がありました。
ガラガラかと思っていましたが、18室ほどあるという法廷は満席ということで、ようやく1つの法廷に入室できました。その法廷では、アフリカからの移民が出会い系サイトで知り合った女性を強姦したという事件を審理していました。すべての法廷が同様の構造か不明ですが、私達の傍聴した法廷は、東京地方裁判所の法廷とは、造りがかなり違っていました。何が違うかというと、東京地方裁判所の法廷はフラットな造りで、被告人は傍聴席のほんの数メートル前に在廷していますが、CENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)の法廷は傍聴席が2階にあります。しかも、2階正面からではなく、劇場の2階脇席のような席から硝子越しに傍聴するのです。野球場の座席のような段違いの傍聴席が3列程並んでいて、総勢20人程度しか傍聴できません。これではすぐに満席になるだろうと納得しました。

4.法廷のありさま
1階の法廷では、正面に裁判官、それに向かい合う位置に検察官と弁護人、裁判官の右側に10人程度の陪審員がいますが、ちょうど傍聴席の正面に彼らの顔が見えました。真剣な顔もあれば、あくびをしている顔もあり、正に普通の人たちです。

裁判は、証人尋問の真っ最中で、裁判官は必死でメモをとっていました。東京地方裁判所の裁判官もこれほどはメモをとらないでしょう。検察官と弁護人の尋問が行われていましたが、英語をよく理解できない私からみても、弁護人はいかにも新人ではないかと思えました。どうも態度はぎこちないし、尋問にうまさを感じません。それに比べると検察官は、いかにもベテランの雰囲気で、なめらかな語り口は、妙にうまさを感じさせました。

被告人はというと、法廷の後部に硝子で仕切られた場所に在廷していました。そのためでしょうか、どうも被告人の印象がうすく、どうしてもカツラと法衣をまとった検察官と弁護人、裁判官らに目がいってしまいます。


THE ROYAL COURT OF JUSTICE(王立裁判所)
1.観光名所?
この裁判所は、写真をみていただくとお分かりのように、ゴシックスタイルのいかにもイギリスらしい建物です。ローストビーフで有名なレストランのシンプソンズやロンドン大学にも近いこの裁判所は、どうやら、観光名所でもあるようです。

というのは、入り口付近に土産物売り場があるのです。キーホルダーや絵はがきなどを売っています。法衣を着て、かつらを被ったバリスターベアの人形(写真)も、この土産物売り場で買いました。
 

2.広がるホール
入り口は、空港なみに厳重なセキュリティチェックがあります。カメラの持ち込みはできません。セキュリティを通過すると、すぐにメインホールが広がっています。このホールの壁面には肖像画が掛かり、さながらギャラリーのようです。このホールから、左右の棟に通路が延びて、法廷につながって行きます。通訳の方の話では、建物内には法廷を含めて1000近い部屋数があるということでした。

3.法廷傍聴
私達は、CENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)の傍聴を終えた後、民事事件も傍聴しようと思い、THE ROYAL COURT OF JUSTICE(王立裁判所)へ向かいました。法廷は、CENTRAL CRIMINAL COURT(中央刑事裁判所)と異なり、傍聴席も1つの部屋のうちにあり、フラットな造りで、壁の両脇に判例集を納めた棚があるのが印象的でした。

ところが、残念なことに、夏期休廷中の法廷が多く、1つの法廷を、ほんの一時だけしか傍聴することができませんでした。その法廷の事件は、バスの乗客が運転手を殴り、けがをさせたという事案のようでした。おそらく、損害賠償などの事件であろうと推測されますが、詳細は不明でした。次回は、是非とも、じっくりと傍聴したいと思いました。

投稿者 ソフィア法律事務所